テキパキ英語

英語に翻訳しにくい日本語の単語を中心に、ぴったりの英語表現を見つけるための発想の転換のヒントと英訳の実例を紹介しています。

「検討する」の英語に、アクションが明確な「revisit」を使ってみる

「検討する」ということばは日本的な表現なのか、英訳に困ってしまうこともしばしばです。

「consider」や「think about」などの訳語が定番ですが、会議の時間の関係で切り上げなければならない話題について「Let's revisit the topic in the next meeting.」などとまとめられれば、次のミーティングで取り上げるというアクションが明確になり、話題を提供した人も納得しやすいですよね。

「revisit」や「explore」など相手に前向きな印象を与える単語を中心に、「検討する」にあたる英語表現をまとめてみました。

 

1.「consider」と「think about」は汎用性が高くて便利

その場ではYes・Noの回答をできない提案に対しては、

I'll consider it. (検討します) または

I'll think about it. (検討します) という表現が便利です。

「consider」には「about」がつかないこと、逆に「think about」は「about」抜きでは成立しない点にも注意してください。

 

「it」の部分を「提案 (your proposal)」や「可能性 (possiblity)」に変えることもできます。

We will definitely consider this new possibility, but I can't give an immediate answer.

この新しい可能性について、間違いなく検討させていただきますが、即答することはできません。

フレーズ・例文|NHK 語学学習コミュニティ ゴガクル英語

 こちらの例文でさらに補足したい点として、「必ず (definitely)」や「真剣に (seriously)」などの副詞を加えることで、積極的に検討するという気持ちを出すことができます。

もう一つは例文の中で「I can't give an immediate answer. (即答はできません)」と述べているように、「consider」や「think about」という表現は、YES・NOの回答に時間がかかる場面のみに利用した方がよい表現だということです。

日本で「検討をする」というと、相手のオファーを断るニュアンスが含まれる場合もありますが、アメリカでは「検討をする」=「真剣に考えて返事をする」のニュアンスがあるので気をつけましょう。断る場合は「I must decline your offer」や「I’ve decided not to accept your offer」とはっきり伝えましょう。

アメリカ人が困惑する日本語「検討します」を英語にしてみる | 英語学習サイト:Hapa 英会話

気をつけないといけないのは日本人はやんわりと断る時に「検討する」と言いますが、 これをそのまま英語で言うと、誤解の元になりますので、注意して下さい。

検討するって英語でなんて言うの? - DMM英会話なんてuKnow?

 

2.「revisit」で次の会議でのアジェンダに設定しよう

 How about revisitting this issue in the next meeting? (この課題については次の打ち合わせで改めて検討してはいかがでしょう?)

 「re+visit」という組み合わせでできている「revisit」は「再び訪問する」=「再検討する」といった意味を持つ動詞です。

「consider」のような抽象的な意味よりも先に、「visit」という具体的なアクションがぱっと目に浮かぶので、力強く明快な印象を与えられるのではないでしょうか?

特に、ミーティングの制限時間などで次回に回さなければならないトピックがあるときなどに、便利に使える表現ではないかと思います。

 

3.実現の可能性は低くても「explore」で前向きな印象を与えよう

I'd like to explore potential business opportunities with your company.

御社との取引の可能性について検討したいと思っています。

フレーズ・例文 |NHK 語学学習コミュニティ ゴガクル英語

「探る・探索する」という意味のexploreを「検討する」の意味で使用すると、可能性は低いかもしれないがチャレンジしてみたいという前向きな姿勢を示すことができます。

「explore」という言葉がたとえば「フロンティア」などと相性がよい言葉なので、新規取引先候補との商談などで利用するとしっくりきそうです。

 

次の例文の「take a look at」は、「explore」以上に可能性の低さを感じさせ、なおかつそこまで積極性を感じさせますが、「happy to」という表現と組み合わせることで「この場で門前払いはせずに、目を通してみます」というニュアンスを出せています。

We are happy to take a look at your business plan, but we can't make any promises.

そちらのビジネスプランを検討するにやぶさかではありませんが、具体的なお約束は何もできません。

フレーズ・例文 |NHK 語学学習コミュニティ ゴガクル英語

 

また番外編として、家族間や友人間、社内の同僚などで「一晩考えさせて」「一晩考えてみて」という意味で使える「sleep on it」という表現もあります。

海外ドラマや映画を見ていてもよく登場しますね。

難しい判断を迫られる場面で

Let me sleep on it. (この場で答えるのは難しいから一晩考えさせて)

Could you sleep on it. (この場で答えなくてもいいから、ちょっと考えてみてくれ)

と、提案を受けた側・提案を行う側の両方が利用できます。

特に、ドラマや映画では、提案が断られそうな気配を察して、提案を行う側の方から「Please sleep on it.」と声をかける場面も多いような気がします。

 

4.「examine」、「review」、「study」で中身のある検討を行う真剣さを示そう

 先ほど「consider」の真剣さの程度を表現するために「seriously」や「definitely」などの副詞を足す方法をお伝えしましたが、動詞自体を「examine」や「review」、「study」など、真剣にチェックするというニュアンスをもつ動詞に変えるのももう一つの手です。

日本語で言えば「検討させていただく」を類語の「精査させていただく」という表現に変えることに近いかもしれません。

An independent commission was created to study the problem.

この問題を検討するために独立委員会がつくられた。

フレーズ・例文 |NHK 語学学習コミュニティ ゴガクル英語

 この例文なども「study」という単語を使うことで、研究のような真剣さでしっかりと問題を精査するという姿勢を打ち出すことに成功しています。

 

また、既に検討が終了してその結果を伝えるときも、

We examined your proposal, but ~

などと伝えることで、熟慮の上での判断であることを伝えることができるのではと思います。

 

いかがでしたでしょうか?

「consider」や「think about」といった基本表現を抑えつつ、「revisit」や「explore」、「examine」などその他の動詞を用いた表現にも、状況に応じて挑戦していっていただければと思います。